同居人のタコライスは絶品である。
あるお休みの日。
同居人と一緒に近所のショッピングモールにお出かけし、そこにあるフードコートでお昼ご飯を食べることにした。
私は家を出る前から、なぜか無性にタコライスが食べたいと思っていたので、迷うことなくメキシカン料理の店を選んだ。
ところが、そのお店はタコスの種類はたくさんあるものの、タコライスのメニューは一つもなかった。そこで仕方なく、私はタコスのセットを注文した。
結果として1番食べたかったものではなかったが、味も量も申し分なかったので個人的には満足だった。
そこから数日経ったある日、お家で突然タコライスパーティーが開催された。
『あの時1番食べたがってたのはタコライスだったもんね』と、野菜たっぷりチップスたっぷりのカラフルなタコライスを作ってくれた。
なんだか、そんな些細なことをずっと覚えてくれたことに、私は胸がいっぱいになってしまった。
同居人は優しさでなんでもできてしまう人間である。きっとこの人には誰も敵わない。